こんにちは!間取りデザインLAB.のユカです。
年間80件超の間取り提案をしています♪
自分で理想の間取りを書いてみたいけれど、「有料ソフトを購入するのはもったいないし、使い方を覚えるのも大変そう…」とお悩みではありませんか?
ほとんどの方にとっては一生に一度のマイホーム計画。
せっかくならとことんこだわりたいけれど、無駄な労力やコストも掛けたくないですよね。
そこで今回は、普段使い慣れているエクセルを使って、建築の専門知識がなくても誰でも手軽に間取りを書く方法を解説します。
・自分で間取りを書いてみたい
・できるだけコストは掛けたくない
・建築の専門知識はほとんどない
設計士が間取り図を書く時はCADや有料の間取り作成ソフトを使用しますが、Excelならコストを掛けずに手軽に書くことができます。
普段からExcelを使い慣れている方であれば、新たに操作方法を覚える必要もありません。
この記事では、無料でダウンロードできるテンプレートと、操作画面の画像をたくさん使って丁寧に解説していますので、あまりExcelに慣れていない方もご安心ください!
自分で作った間取り図があると、口頭だけよりも的確に要望が伝わるので、建築会社との打ち合わせもスムーズに進みますよ。
それでは早速、以下の4ステップで解説していきます!
こちらの記事を参考に事前準備をしていただくと、よりスムーズです!
STEP1 無料テンプレートをダウンロードする
当サイトでは、すぐに間取りを書き始められるように無料テンプレートをご用意しました!
有償ソフトのように「超簡単!直感的操作!」とまではいきませんが、新たに操作方法を覚えたり細かい設定をすることなく、無料で手軽に間取りづくりを始めることができます。
あまり建築の専門知識がない方でも、最低限の建築ルールを守りながらパズルのように間取りが描けたら…という想いで作成したテンプレートですので、ぜひ一度ダウンロードしてみてくださいね。
お使いいただいた感想もお待ちしております!
Excel間取りづくりテンプレートの画面イメージ
- ダウンロードは無料です。
- ご利用目的は個人利用のみとなります。(商用利用不可)
- 再配布・無断転載は禁止です。
- 著作権は当サイト及び運営者に帰属します。
- 利用者自身の責任においてダウンロード及びご利用ください。
- テンプレートのダウンロード及びご利用により生じた損害等について、当サイト及び運営者は一切責任を負いません。
- 操作方法等についての個別のお問い合わせには原則対応しておりませんが、ダウンロードファイルの不具合等がございましたら『お問い合わせフォーム』よりご連絡ください。
※テンプレートの作成及び動作確認はExcel2016にて行なっております。
ご利用規約に同意いただけましたら、こちらのボタンからダウンロードしてください。
ダウンロードはこちら! >>>>>
楽しい家づくりにしましょう!
STEP2 敷地と建物の枠をつくる
ここからは、実際にテンプレートを開いて操作を進めましょう。
事前準備で集めた「敷地情報」をご用意ください。
この記事では、以下の内容をサンプルとして解説していきます。
敷地面積 | 96㎡(8m×12m) |
用途地域 | 第一種住居地域 |
建ぺい率 | 80% |
指定容積率 | 200% |
基準容積率 | 160% |
前面道路の種類 | 法第 42 条第2項 |
前面道路の幅員 | 4m(セットバックあり) |
各項目の数値等を、ご自身の敷地情報に置き換えて操作してくださいね。
敷地情報を入力する
まずは、敷地に関する情報を「敷地情報」のシートに入力します。
ここを入力すると、間取りを描いた後に建ぺい率や容積率を自動計算することができます。
建築・不動産会社が作成した間取り図と同じ大きさで作成する場合は、この操作はスキップ可能です。
- Step1「敷地情報」のシートを開く
テンプレートを開くと、以下のような画面になります。
シート下部のタブで「敷地情報」をクリックしてください。 - Step2敷地面積・用途地域・前面道路の種類を入力する
- Step3道路幅員を入力する
- 道路幅員が4m未満(いわゆる2項道路や付則5項道路)の場合は、セットバック後の幅員「4.00m」と入力します。
- 角地や二面道路など接道道路が複数ある場合は、最も広い道路の幅員を入力します。
- Step4建ぺい率・指定容積率を入力する
- Step5基準容積率を算出する
基準容積率とは前面道路の幅員によって定められ、
「前面道路幅員(m)×用途地域による係数(%)」で計算します。
Step4までの入力が完了していると道路幅員が自動入力されています。
続いて、右側の表から該当する用途地域の係数を確認して入力すると、基準容積率が自動計算されます。
敷地情報の入力は、これで完了です!
敷地を作成する
次に敷地と建物の大きさを表す以下のような枠を作成します。
テンプレートには最初から各枠線のサンプルが作成されているので、コピペ・サイズ変更・移動の簡単操作だけでOKです!
まずは、敷地の大きさを表す「敷地線」を作成します。
- Step1「間取り」のシートを開く
シート下部のタブで「間取り」をクリックします。
- Step2敷地線のサイズを変更をする
敷地線は赤色の実線で作成しています。
①敷地線が選択できたら、右クリックして「図の書式設定」をクリックします。
②作業ウィンドウが出たら「サイズとプロパティ」のアイコンをクリックし、敷地の大きさに合わせて数値を入力します。
「縦横比を固定する」にチェックが入っていたら、チェックを外してから数値を変更してください。
- Step3敷地線を配置する
①図形の書式→オブジェクトの配置→「枠線に合わせる」「図形に位置を合わせる」にチェックを入れる
②敷地線を移動させると、グリッドの角にピッタリ合わせて配置できます。
マウス操作で枠線にぴったり合わせるのが難しい場合は、キーボードの矢印キーで移動させてもOKです。
よほど計画的に区画された分譲地でない限り、敷地の形はきれいな四角形ではありません。
Excel間取りづくりでは、実際の敷地にすっぽり入るサイズのきれいな四角形を敷地線として作成します。
敷地線の各辺の長さのうち、最も小さい値に合わせて四角形を作成しましょう。
隣地・道路との空きスペースを設定する
続いて、敷地内の建築できないスペースを表す「空地線」を作成します。
Excel間取りでは、建築できないスペースを次のように設定します。
- 隣地側は隣地境界線から65cm空ける
- 道路側は道路境界線から2m空ける
- Step1空地線を配置する
空地線は赤色の点線で作成しており、敷地線の各辺の内側に計4ヵ所配置しています。
- Step2敷地線と空地線をぴったり合わせる
サンプルの空地線(赤色点線)を敷地線(赤色実線)の角に合わせ、はみ出した部分または長さが足りない部分を調整します。
画面の表示倍率を上げると、図形同士をぴったり合わせやすいですよ!
前面道路を作成する
続いて、敷地に接する道路の位置や幅を表す「道路線」を作成します。
道路線は水色の実線で作成しており、セットバックの有無によって作成方法が少し異なります。
まずはこの記事のサンプルに合わせて、道路幅員4m未満でセットバックが必要な場合の操作方法を解説します。
道路幅員4m以上の場合はこちらにジャンプ!
道路幅員4m未満/セットバックが必要な場合
道路線の内側にある水色の点線が、セットバックの幅を表しています。
- Step1セットバック幅を変更する
セットバック線(水色の点線)を選択→右クリックで「図の書式設定」をクリック→「サイズとプロパティ」から、実際のセットバック幅に合わせて高さの数値を変更します。
- Step2道路線とセットバック線の上面を合わせてグループ化する
道路線(水色の実線)とセットバック線(水色の点線)の上辺同士をぴったり合わせて、Shiftを押しながら複数選択した状態で、右クリック→グループ化をクリックします。
ここがポイント!図形同士をぴったり合わせる時は、図形を複製選択した状態で、
上部タブ「図形の書式」→「オブジェクトの配置」→「上揃え」をクリックしてもOKです!
- Step3グループ化した道路線と空地線を移動する
①Step2でグループ化した道路線を、セットバック線の下側と敷地線の下側が合うように移動させます。
②道路側の空地線を、①で移動させた道路線の上側に合わせて移動させます。
図形同士を合わせにくい時は、上部タブ「図形の書式」→「オブジェクトの配置」→「枠線に合わせる」のチェックを外します。(「図形に位置を合わせる」はチェックしたままにしておいてください)
道路がセットバックする分だけ敷地の中に入り込んでいるような図になっていればOKです!
道路幅員4m以上の場合
セットバックが必要ない場合の操作はとてもシンプルです。
敷地線(赤色の実線)の下側と、道路線(水色の実線)の上側をぴったり合わせるだけでOKです。
テンプレートでは最初からセットバック線が作成されているので、気になるようであれば削除してください。
必要に応じて、道路線を右クリック→図形の書式設定→サイズ変更 から道路の幅員を変更してください。
建物を配置する
- Step1敷地線・空地線・道路線をグループ化する
①「ホーム」タブ→検索と選択→オブジェクトの選択 をクリック
カーソルが矢印に変わり、図形だけを選択できるようになります。
②図形をまとめて囲むようにドラッグ
寸法線や方位記号などが一緒に選択されてしまっても大丈夫です!
③グループ化しない図形の選択を外す
今回グループ化するのは、赤色の敷地線・空地線と水色の道路線のみです。
それ以外の図形は選択から除外します。
④右クリックから、グループ化をクリック
- Step2空地線の内側に建物線を配置する
①空地線(赤色の点線)の内側に納まるように、建物線の大きさを調整します。
ここがポイント!建物線はExcelのセルに合わせて作成するので、「図形の書式」タブ→「オブジェクトの配置」→「枠線に合わせる」にチェックを入れた状態でサイズを変更します。
②Step1でグループ化した図形の位置を調整して、空地線(赤色の点線)の内側に建物線がすっぽり納まることを確認します。
グループ化した図形はExcelの枠線に沿っていなくてもOK!
このあとグリッド上に各部屋を配置できるように、建物線はExcelの枠線にぴったり合わせておくのがポイントです。
建ぺい率・容積率を確認する
続いて、作成した建物線の大きさが建ぺい率・容積率の制限内に納まっているかを確認します。
- Step1建物の面積を計算する
建物線を選択し、右クリック「図形の書式設定」→「サイズとプロパティ」で図形のサイズを確認し、面積を計算します。
ここがポイント!ここで確認できる図形のサイズは、必ずしも尺モジュール(1尺=910㎜)の倍数になっているとは限りません。
建ぺい率や容積率に余裕がある場合はこのまま計算しても大丈夫ですが、より正確に計算する場合は、建物線のセル数×0.455で建物の幅・奥行を算出してください。 - Step2建築面積・各階の床面積を入力する
Step1で計算した面積を、「間取り」シート上部の建築面積・床面積(水色で塗りつぶされているセル)に入力します。
面積を入力すると、建ぺい率と容積率が自動計算されます。
「OK」の表示が出ていれば、この大きさで間取り作成に進みます。
「NG」の表示が出た場合は、建ぺい率・容積率の制限をオーバーする可能性があるので、以下のように家の大きさを調整します。
- 建ぺい率がNGの場合
家の大きさ自体を小さくする必要があります。
建物線のいずれかの辺(道路側がおすすめ!)を1マス分縮めて、再度面積を算出してみましょう。 - 容積率がNGの場合
建築面積と1F床面積はそのままで、2階や3階の床面積を小さくすることで解決することが多いです。
最上階(2F床面積または3F床面積)の数値を少し減らし、「OK」の表示が出るか確認してみましょう。
- 建ぺい率がNGの場合
STEP3 間取りをつくる
ここからは、いよいよ間取りづくりです!
テンプレートでご用意しているサンプル図形は、
「よく使う部屋を、よく使うサイズ感で」作成しています。
コピペやサイズ変更の簡単操作だけで、暮らしやすくいい感じの間取りがパパッと完成します。
【サンプル図形イメージ】
モジュールについて
ここで、モジュールについておさらいしておきましょう。
一般的な戸建て住宅で使用されているモジュールは、「尺モジュール(1スパン=910mm×910mm)」ですが、
当サイトのテンプレートでは、モジュールを以下のように設定しています。
Excel上の1マス = 0.5スパン = 455mm×455mm
これによって、1帖単位の部屋だけでなく、0.5帖単位の部屋も作りやすくなっています。
各部屋を配置する
サンプルの部屋図形をそのまま使用する場合は、コピペを繰り返すだけの簡単操作です。
モジュールにぴったり合わせて配置できるように、
上部タブ「図形の書式」→「オブジェクトの配置」→「枠線に合わせる」「図形に位置を合わせる」
にチェックを入れておきましょう。
- Step1部屋図形をコピーする
- Step2建物線の中に貼り付ける
- Step3Step1,2を繰り返すここがポイント!
このあとの工程で部屋の変形や各パーツを配置しますが、その前におおまかな部屋の配置(=ゾーニング)をしっかり検討しておきましょう。
部屋同士が重なっていてもOK!
廊下や階段は複雑な形状になることも多いので、各部屋の配置が決まってから最後に作成するとスムーズです。
複雑な形状の部屋を作成する
サンプルの部屋図形を変形させることで、少し複雑な形状の部屋も作成することができます。
- Step1部屋図形を選択し、「頂点の編集」をクリック
各頂点の白い丸◯→黒い点■に変わります。
- Step2頂点を移動する
変形させたい部分の頂点をクリックし、そのまま移動したい方向へドラッグします。
セルに沿って変形できました。
- Step3頂点を追加する
部屋を凸型にするために、頂点を追加作成します。
頂点を追加したい辺の任意の位置で右クリック→「頂点の追加」をクリックします。
- Step4追加した頂点を移動する
Step2と同じように、追加した頂点をドラッグして移動させます。
- Step5Step3,4を繰り返して図形を変形させる
凸型の部屋が完成しました!
STEP4 各パーツを配置する
部屋の配置が完成したら、窓やドア、水まわりの設備や家具などの各パーツを配置します。
部屋を配置するだけでも打ち合わせ用の間取り図としては十分ですが、
パーツを配置することで間取り図としての完成度がグッと高まり、
部屋の広さや動線に問題がないかをチェックすることもできます。
テンプレートのパーツを使用する
まずは、パーツを配置しやすいように設定を変更します。
- Step1部屋図形を最背面に移動する
①「ホーム」タブ→「検索と選択」→「オブジェクトの選択」をクリック
②間取り図形全体を囲むようにドラッグ
③上部タブ「ページレイアウト」→「背面へ移動」→「最背面へ移動」
これで、部屋図形に隠れずにパーツを配置できるようになります。
ここまでの設定が完了したら、「ホーム」タブ→「検索と選択」→「オブジェクトの選択」をクリックして、セルを選択できる状態に戻しておきましょう。
- Step2図形の配置設定を変更する
各パーツはセルの枠線ではなく図形に沿うように配置するほうが動かしやすいので、オブジェクトの配置設定を以下のように設定します。
ここまでの設定が完了したら、あとはテンプレートで用意している各パーツをコピペして間取りに配置するだけ!
図形の移動や回転を使って、上手く配置してみてくださいね。
まとめ
ここまでの作業お疲れ様でした。
Excelでの間取りづくりはいかがでしたか?
データをコピーすれば違うパターンの間取り図もつくれますし、思い立った時にいつでも何度でも変更できるのが最大のメリットです。
上手く書けたら、ぜひ家づくりの打ち合わせに活用してみてくださいね♪
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。
\間取りのセカンドオピニオンもご好評をいただいています!/
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